筆の乾かし方はドライヤー?大筆小筆を綺麗に保つお手入れ法




習字用の筆を洗ったけど、乾かすのに時間がかかる…。そんな時、ドライヤーを使ってもいいのかな?と思ったことはありませんか?

そもそも、正しいお手入れ方法って?そんな疑問にお答えします。

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筆の乾かし方はドライヤー…良い?悪い?

筆を乾かす際にドライヤーを使うこと。
結論から言うと、「できるだけやらないほうがいい!」です。

習字用の筆は繊細なので、ドライヤーを使うと傷みの原因になりやすいためです。

ただ、どうしても急ぐという場合は…
「穂先の部分を布などで包み、その上から冷風を当てる」と言う方法ならまだマシ、と言えます。

ただし、基本的に筆の乾燥方法は「陰干しでの自然乾燥」が大原則です。

筆の乾かし方は?

では、具体的にはどのような方法なのでしょうか。

大筆の場合

まず綺麗に洗ったあと、筆を円錐状にして、頂点となる穂先が中心に来るように整えて、下向きに吊るします。

場所は「風通しの良い陰干し」ができる場所がベストです。
直射日光が当たるような場所は、傷ませる原因になりますので避けましょう。

大体の筆には、持ち手の端に輪になっているヒモが付いていますので、そこをハンガーやピンチハンガーに引っ掛けて吊るせばOKです。

また、しばらく経ってから再度洗い直して干すのもとても良いそう。
しばらく経つと、穂先に墨が溜まってくるので、それを放置せずに再度洗い流して乾燥させて保管すれば、ますます長持ちするそうです。

小筆の場合

小筆は、大筆のように全体を洗うことはしないのが一般的です(糊が取れてしまうのを防ぐため)。しかし、使用後はやはり穂先の墨を綺麗に取り除いてから乾燥させて保管します。

乾燥方法などは大筆の場合と同じです。

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筆のお手入れ方法は?

では、使用後の洗い方をおさらいしてみましょう。

大筆の場合

しっかりと墨を洗い落とす

ぬるま湯(30〜40℃)で、優しくもみ洗いをします。
特に、根本に溜まった墨を丁寧に落とします。
根本の墨が残っている状態で、もし完全に乾かさず根本部分の毛が腐ってしまうと、抜け毛・切れ毛を引き起こす原因となってしまうからです。

また、流水で洗い流すよりも、容器などに入れたぬるま湯に墨を溶かすように洗うとより◎。
流水で洗う場合でも、できる限り優しい水量で洗うようにしてください。
その場合は、穂先を下に向けて、毛の流れを水の流れに沿わせるようにします。
根本に溜まった墨を落としたいから…と逆さに向けてジャブジャブ洗うのは×です。

ちなみに、洗う場所はステンレス製の流しがオススメ。
白い流しだと、墨の汚れを落としにくいからだそう。

小筆の場合

水には浸さず、拭き取る

小筆は大筆と違い、筆の半分〜根本までは糊で固まった状態で使うのが一般的だと思います(流派などによってはこの限りではありません)。
ですので、水で洗うことはしません。

使用後は、いらなくなった半紙などに優しく何度か筆を滑らせて、墨を拭います。
その後、水で湿らせたティッシュや布などで、墨がついていた部分を軽く拭き取ります。

 

筆乾かし方まとめ

ここまで、筆の洗い方・乾かし方について詳しくみてきました。

乾かす時のポイントは、とにかく「形を整えて」「陰干しで」「完全に」乾かす、ということ。

更に言えば、洗う際に「しっかりと墨を落とす」こと。

これらの点を守ることが、筆を長持ちさせられる秘訣のようです。

しっかり洗うのも、自然乾燥で完全に乾くまで待つのも少し面倒ではありますが、使うたび正しくお手入れをすることで、乱暴に筆を扱った場合の新しく買い直すお金も手間も省くことができます。

また、道具を大切に扱う時間と、愛着のある筆で書を書く時間は、まさに「和の心」が育まれている瞬間と言えるのではないでしょうか。

学校や教室で習字を習うお子さんはもちろん、書道を楽しむ大人にとっても、お手入れの時間も含めて、ぜひ書道を楽しんでみてくださいね。

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